Web活用備忘録
提案なんぞ捨ててしまえ。
2009 年 5 月 8 日
アイタスでの日常は「客への提案」
なので、アイタスの中の人たちは企画を練ったり提案資料やデザイン案用意したりが重要な業務なのですが、耳タコ承知でスタッフへ私が繰り返し話しているのは
「自分の提案に惚れるな」
といったことです。
自分たちの仕事のコアが企画・提案であっても、それに固執するなと話しています。
練りに練って「あの依頼主の目的を叶えるためにはこの提案内容がベストだ!」と我々が思っても、実は意外とそうでは無いものです。
提案をまとめるためには、事前に情報のインプットが必要です。
適切な情報を入手するための手法手段は当社のノウハウだったりする部分もあるので今回は省略する(そのうち書きます。書けば大したことでは無いものの、それをやれるところとやれないところは歴然としている)として、どれだけ事前に情報インプットしても、完璧ではありません。
したがって、不完全な情報のもとに不完全な認識から導き出される提案がベストとならないのは自然な流れなのです。
提案に自信があると、依頼主から「んー、こうじゃなくて、もっとこう〜〜」といったダメ出しを食らうとき、かなりがっかりするようです。
がっかりすることは無いんだよ。落ち込む必要は無いんだよと話をします。
案件初期時(もしかすると業務終了するまで)の提案・打診は、相手から反応を得るきっかけ、「コミュニケーションのための材料」でしか無いんだよと説明します。
こちらが一所懸命考えて提案まとめてみたからこそ、依頼主側もそこでようやく初めて「んーと、これちがう」とリアクションできるわけです。
その繰り返し・積み重ねによって、双方の認識の差異が縮まり、やることが具体的になっていきます。
コミュニケーションを活性化することが大切であり、自分たちが苦労して練りあげた企画・提案は、そこに供される生け贄でしかないというある種の諦観が必要です。
ほら、こういう感じ。
キミ「今週末さ、なにか映画でも見に行こうよ」
彼女「いいね〜」
キミ「なにか観たい映画ある?」
彼女「んー、特に無いかな。なんでもいいよ〜」
キミ「じゃあ、レッドクリフ2とかどう?」
彼女「あれは嫌」
キミ(なんでもいいって言ったくせにーーー)
彼女が「それいいね♪」とニッコリするまで、じゃあこれは? ではこっちは? と何度でも提案し続けるのが我々の役回りだ。レッドクリフ2にこだわっていては彼女の笑顔を得られない。
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