Web活用備忘録

Webサイト構築力をコンペやプレゼンで推し測る愚かさについて

2008 年 5 月 28 日

アイタス石川
こんにちは。今スグ試せるWeb活用研究会の石川です。

私はコンペにはあまり積極的ではありません。諸事情あってコンペに参加しなければならない場合も、プレゼンテーションなしで、いっそ金額どーんでの一発勝負のほうが手間がなくていいのにと思っています。

なぜかと言いますと、コンペへ出るからには勝たなければなりませんし、プレゼンがあるなら命がけで一所懸命やらなければなりません。取れるかどうかわからないものに時間はかけられないので、参加すると決めたら必勝を期して全力投球しなければなりません。勝算がないのに挑むのは、客観的には愚かで痛ましい行為です。

という愚か者数社が必死に戦う姿は、主催する側にとってはそりゃあおもしろい見物です。ほうれ、仕事が欲しくばもっと上手に踊ってご覧オーホッホッホッ。

なにより、こうしてがんばる行為自体、Webサイト構築にはまったく関係がないだけに、むなしさ赤丸急上昇中です。

ここに費やすエネルギーや時間は、実際のクライアントに対して充てるべきだと考えています。

○まだまだ不充分な事前ヒアリングや要確認事項多数のRFPを元に「それっぽい企画」を「提案資料にまとめる」、ある意味アバウトな性格と思いこみ力

○上記資料を「紙の資料」としてまとめる力

○それらを「これがベスト!」と自信をもって推すハッタリパワー

そもそも、このような職能は企業Webサイト構築の実務能力とあまり関係ありません。むしろ、上記のようなプレゼンテーション能力とサイト制作力を併せ持つサイト制作者はそうはいないように思います。

こういったハレでの瞬発力ではない方面に資質があるからこそ、Webサイト制作にたずさわっている者が多いでしょうから。

投資効果のあるホームページを持ちたくて専門会社へ発注するのであれば、その制作会社の「ホームページ力」を見るべきす。10社呼びつけてプレゼンと称する寸劇をやらせてみても、ホームページ力は比較できません。

全部見終わったあとに「あーおもしろかった。……と、結局、どこに出したらいいの?」と、さらに迷ってしまうのが関の山です。

制作会社各社の自社サイトを見比べて、貴社とウマが合いそうなところを選ぶのが一番です。そことじっくり施策を協議する。もちろん、発注前に実際に会って、本当に大丈夫なところかどうか、自分の五感で確かめておくことは必要です。それを嫌がる制作会社はないでしょう。

良いホームページをつくるのが目的ではなく、暇なんでコンペでもやって必死な奴らを笑おうかということでしたら、まぁ、良い趣味とは言えないのでは。「そんなつもりはない」と言う人ほど、実際にやっているのはそういうことです。コンペティションとかプレゼンテーションとかのカタカナがグロテスクなエッセンスをカモフラージュしているだけです。

ITコーディネーターの一部が「Webサイト発注においてはRFPを用意し、最低限、数社から提案と見積を取りましょう」といった話をしているようですが、だったら自分もコンペで選んでもらえばいいのに。

ITコーディネーターは無知ではないので、自分たちがコンペで選別しようがない仕事をしているのは承知しています。

Webサイト制作の実態が自らの業務同様、コンサルティングが不可欠なのもITコーディネーターは知っています。

自己矛盾・自己否定しているのではないでしょうか。

<石川@アイタス

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